男の表と裏の顔。

何年前のブログだったか? 忘れましたが不寛容な人が

増えて来たと書いた覚えがあるのですが、最近は表面上

良い人を装っていながら陰の見えない所で陰湿な刺々しい

言葉を発する達が増加しているような気がします。 

特に携帯やパソコンによるSNS上の匿名環境では

誹謗中傷が横行しており、本人とは何の係わりもない

人達まで攻撃するという非生産的なことが行われている

裏側には、人間が本質的に持っている邪悪な心である

人の不幸を楽しむことで自分の優位性を確認したがる

不純なものが潜んでいます。 

勿論このような行為に走る人達は別な抑圧に晒されている

からですが、その抑圧を他者への攻撃で消化することが

常識化しているから、誰もが日常生活の中で怯え警戒

しているために表面上は建前を飾り本音を隠すことが

常識化されたのだと思います。

リンピック選手のコメントは判で押したように

『様々な方達に感謝しております』でしたが、この言葉を

もし忘れたら匿名の攻撃が来ることを怖れているのでは? 

と勘ぐりたくなるほどの定型句でした。 

応援して勝利したら応援してあげたと自分の手柄のように、

応援したのに負けたら匿名で攻撃コメント投稿では、

自分勝手も子供以下の大人が増えたのだと思います。 

それなら『自分でやってみろ』と私は思うのですが、

普段何事においても努力しない人ほど他者への攻撃には

積極的で、逆に普段努力している人はその大変さを

知っているので一流の技にひたすら感心するものです。 

私が心配することはこんな非生産的なことが社会を

良くすることに繋がるとは思えないことで、

誹謗中傷は廻り回って自分自身に帰ってくる悪循環の

連鎖に思えるからです。 

人間は追いつめられると邪悪なものが噴出するのですが、

その邪悪さを克服しないと誹謗中傷の堂々巡りから

抜け出せず、そんな自分は絶対に好きなれないので

結局自己嫌悪の繰り返しのアリ地獄に陥ります。

人に嫌われることばかりするから孤立しているのに、

その孤立からの出口である人に好かれる言動を

見失って、より孤立を深めている人達が増えています。

刃のような人の心を傷つける棘のある言葉の蔓延は、

人は人に好かれて自分を好きになれる経験不足

の蔓延による悪循環のような気がします。 

またそのような棘のある言葉に過敏に反応し過ぎる

人達が増えているのも絶対に信頼できる人がいない

孤立感ですが、その過敏さのもうひとつの原因は

幼児のままの余裕のない過剰な自尊心があり

邪悪なものをスルーする余裕のない人達も増えて

いるように思います。

自分自身が大切な人と思っている人からの棘のある

言葉に傷つくのは判りますが、あらゆる人から

認められたいというような承認欲求は幼児が持つ

ような未熟なものと思います。 

入院中に若い女性の看護師さんやリハビリの先生に

恋愛や失恋など『男の選び方』を相談されたのは、

私が男のおばさんのようによく話す事と個室で一対一

や対面だったこともあるのでしょうが、もうひとつ

最近はうっかりと友達や知人に話せない人間関係

あるからで、私のような高齢者の男には心に秘めた

不安も安心して話せたからだと思います。 

どのような男が安心して頼られるのか? その見分け方の

前に収入は? 男前か? など若い時は見えているものに

目を奪われますが、少し社会経験を踏むとその先への

不安も感じるほどに大人になってきているからです。 

基本的に男は仕事の内容を見れば人間性が出ていて

仕事がだらしないか? 

きっちりやるべきことをやっているか? 

無骨だが時間をかけても責任を果たしているか? 

要領だけよいか? などが出ていて、

仕事へ望む時の服装なども考慮すると私生活の見えない

部分が必ず表出しています。

私が注視して欲しいと助言したのは、仕事や日常において

自分に厳しく他者には優しく行動している男か?です。

一般に厳しいことを言い自分自身も実践している男を

警戒する女性が多いのは、同じように実践することを

要求されることへの不安からなのですが、

このようなタイプの男はシャイだから厳しいことを

口にしていますが、実はこのような男の懐に

入り込んでしまうと意外にも非常に優しい男です。

日常生活でも自分自身には厳しいですが、家族には

非常に優しく何気ない感謝の言葉と褒め言葉を忘れ

なければ極めて扱いが楽な優しい男がほとんどです。

逆に家庭内でDVや虐待行為をする男は、仕事場などの

社会的な所で大人しく偽装するのは、仕事や社会的な

場で自己実現できない自信喪失の抑鬱を抱えている

からで、その抑鬱不満を家庭内で弱者である妻や子供を

支配するDVや虐待で無意識的に解消しているのです。

人間には建前と本音があるように表と裏があり、

社会的な表で厳しく本音で振る舞っているような男の

方が、家庭内のような裏では優しい男が多いと思います。

もうひとつは恥ずかしい思いや欠点を指摘された時

 のような咄嗟の時どのような反応をするか? です。

 激怒するか? 謙虚に認めるか? 

 廻りを和ますような一言を発する余裕があるか? 

 などその咄嗟の反応には普段隠している性と

 人間性の厚みが表出していますよ! と話ました。 

 昔妻が私に『本当に小生意気なひねくれ者だ』と怒った

 時に、私は素直に謝罪し『でもその欠点を見抜けず

 私を選んだ責任が半分あなたにもあるよ』と告げ、 

 『お母さんの料理通で裁縫は全く駄目、家事全般でも

 女性としては取り得のな、店の手伝いも邪魔に

 なるだけだから専業主婦でいてもらっている、しかし

 そんなこと関係なく大好きになったに選んだ責

 あると思っています』というわけの判らない返答

 妻苦笑し、その後は安心したのか? 

 私の欠点を日常詞に使ようになりました。

 一見厳しい尖った言葉の中に、温もりを感じる真心が

 籠った言葉をさりげなく入れるのは照れた男の

 愛情表現ですが、少しのある男には他の男と

 違った癖のある良い所があります。

 米国における結婚生活の調査で、五十年以上続いている

 夫婦の共通点は『社会的な表の夫ではなく、家庭に

 おける裏の夫が好きと妻が思っている』ことだそうで、

 やはり持続する愛とは地位やお金ではなく、日常生活で

 本音の思いやりが愛情行為として出ているか? です。  

 若い人達には『恋は心で愛は心』と言ってから、

 恋と愛心という字のある場所を見てね!と告げてから、

 愛情とは一方的に望むだけでは長続きしないもので、

 『あなたが望むような愛を相手にも与えない』から

 壊れ失恋や離婚に繋がるわけで、その結果は真心がなく

 下心だだからすと駄目出しをしてあげました。

 尖った言葉に傷つくことを恐れているのは、

 医師は医療訴訟を学校の先生はモンスターペアレントを

 企業はクレーマーですが、これは『お客様は神様です』

 という拝金主義の言葉が蔓延てからで、誰もが

 傷つかないように建前の言葉を優先しているうちに、

 実はお金だけが目的の心が通わない希薄な人間関係が

 日常化してしまったのです。 

 人間関係を深めるためには摩擦こそが必須で、

 その摩擦を手に処理し理解に繋げることが

 できない男こそが危険で、摩擦処理が下手なのは

 相手への愛情である寛容の気持ち社会性の欠如

 人間的未成熟が根幹にあるのです

 京王電鉄の電車内でナイフを振り回した男のように、

 凶悪事件を起こす男は普段は大人しい男が通説ですが、

 実は臆病で日常の摩擦を恐れて大人しいだけ

 人間全てが持っている凶悪性を押し殺しているので、

 限界を越えて発火すると暴発するのです。

 社会で日々建前の定型句を使いごまかし摩擦を回避

 しているうちに、ターンから外れたりパターンが

 破綻したりするとパニックにるのは、普段から摩擦

 を回避し続けているからです。

  強者や上司にも理屈や論理で間違っていることに平気で

 噛みつくような男は実に頼り甲斐があり、そのような

 若者を可愛がる余裕がない小物の大人が増えたのです。

 逆に絶対に避けるべき男は、強者に迎合しておもねり

 弱者に高圧的で馬鹿にするような態度を取る男です。

 今は職場や家庭で信頼や安心できる人間関係作りが

 構築されておらず、建前の希薄な人間関係の中で

 誰もが孤立に拍車かかっているのです。 

 最近は建前を飾るような定型句を覚え上手に使うことが

 大人なる事と錯覚していますが、本当は誰でも建前と

 判っていてもやり過ごしているだけです。

 日常を自分言葉で振舞っていないと決して自分に

 相応しい人には出ないですし、

 相互愛も成就しないと私は思っています。 

 一般に動物は今だけを生きていますが、人間だけは

 未来に生る目的が持てないと現在を健全に

 生きられない動物ですで、今のような格差社会から

 の脱却を果たし中産階級の厚増すような社会実現も、

 寛容な家庭と社会実現のため必要条件です。 

 最近自我の自立へと向かって葛藤している孫の

 お姉ちゃんは、自分の欲望(エス)と躾や社会的規制

 (超自我)の間で葛藤ている時に私と会うと

 甘えからシカトするのですが、それ私には

 安心して自我を剥き出しにできるからです。

 私は孫の葛藤を尊重しているので『優しくしてー』と

 お願いしたり、私も軽くシカトで返したりするのは

 心の中で『頑れ』ましてい孫への愛情です。 

 刺々しい態度で接する人に欠けているのは『この愛』

 中には愛されていないから愛し方が判らない

 可愛そうな人も多くいるように思いますので、

 社会の誰かが愛を贈与し教えてあげような余裕の

 ある社会になれば、今のような刺々しい社会にも

 維新が起こってくると思います。 

 広い太平洋にある日本海溝の一番深い所は

 八千二十メートルありますが、

 狭い所ではこのような深さに到達しないように、

 人間の心も広くなければ深まりはしないのです。 

 対面では慇懃無礼な建前で振る舞い、ネット上などの

 匿名では陰湿な刺々しい言葉を使うような狭い心では

 いつか必ず自分自身が行き詰まります。

 自分自身の人生を豊かにする為にも、容という相手

 への思いやりの広い心を心掛けるだけでより多くの

 人達が人間的な成熟に近づきます。

 人間的な広がりと深ま手に入れるためにも

 建前の言葉を止め、ひたすら恥をかき失敗を重ねながら

 自分の言葉で語ることは必ず学びに通じています。

 今のような孤立した尖った言葉の社会から抜け出し、

 温もりでし合えるような社会に繋げるには建前社会

 からの脱皮が必須で、傷つくことを恐れず身構えず

 あるがままに振る舞う心の余裕を身に付けることです。

 男は傷つきながら成熟して行き、その傷の痛みを知って

 いる男は表で厳しい棘のある言葉を吐いていますが、

 裏では実に優しい顔を持つ逆転現象が見られます。