ネット社会の極悪癌細胞。

人間とは何者なのか? の興味から人体への興味になり様々な科学的知見に触れると、生命の神秘性とこの百年の科学技術の進歩には感動すら覚えます。 

人間の二人に一人が発症する『がん細胞』について最近知ったことは驚きの連続で、実はがん遺伝子がなければ子孫を残すための生殖ができないことが判ったそうです。 

その働きとは精子が卵管を通って卵巣に到達したときの入口のドアーを開ける役目をがん遺伝子がしているそうです。 

精子が卵巣内に進入して卵子と結びつかないと受精に至らないのですが、がん遺伝子を取り除くと精子は卵巣外で留まってしまい受精できないのだそうです。 

ここで誤解を生むのが癌遺伝子とは悪だと私達は思っていますが正常な癌遺伝子というものが存在しており、この正常な癌遺伝子も代謝としてコピーを繰り返しておりますが、普通の細胞のコピーミスのように変異が起こり、この変異を四度ほど繰り返すと正常な細胞を攻撃し悪性の癌細胞になり増殖し続けるので死に到ってしまいます。 

正常細胞の変異は環境変化への対応など進化の役目も果たしているそうですが、癌遺伝子の変異の最初はちょい悪ですが次の変異でになり四度目位には極悪へとなって悪性の癌になるのですが、がん細胞は不死細胞なので限りなく増殖するのだそうで、七十年前の米国の癌患者の癌細胞が今でも世界各国の研究者の培養容器の中で生き続けています。 

正常な癌遺伝子は生殖だけでなく日々の新陳代謝の為の細胞分裂を促進させるアクセル役も果たしていて、マウスの実験で正常な癌遺伝子を取り除くと新陳代謝が阻害され成長が止まってしまったそうです。 

これだけでも神秘的ですが、私達の体内ではちょい悪悪に変異した癌細胞を免疫キラー細胞がその異常を察知し攻撃して取り除き尿として排出しているので健康が維持できているのですが、喫煙やストレスや高齢になって免疫力が落ちたりすると変異の極悪が現われることになるそうです。 

科学技術がもっと進歩してちょい悪悪に変異した時点で癌化した細胞を発見できるようになれば、免疫療法で早期に退治して極悪を防ぐことが出来るようになります。

 細胞分裂のアクセル役を果たしている正常な癌遺伝子が減る

 老化が進むのですが、新陳代謝が過剰に進むことも異常が

 起きるので細胞核の中にブレーキ機能も備わっており、細

 胞分裂の促進と抑制という絶妙な均衡による秩序で健康が

 維持されています。 

 こんな事を書いた理由はSNSによる分断現象進行への危機

 感で、もうネット社会の癌細胞はちょい悪から悪になってき

 ており、早急に正常な免疫細胞によって排除しないといけ

 い危機的な状況になっていると私は思っているからです。 

 米国の議事堂襲撃はSNSで呼びかけ集合して起こってお

 り、香港・ミャンマーでも現代は全てが良くも悪くもSNS

 によって動いています。 

 最近は上司や指導者のセクハラやモラハラなど直接的に抗議 

 できない立場の人が、SNSに投稿して相手の不正義を告発

 することにも使用されています。 

 しかし米国の議事堂襲撃のようにフェイクが原因で分断

 進み深まってしまうのがSNSの悪外ですが、フェイクの手

 口は二割の真実に共感させて八割のフェイクを見破れない

 ようにする巧妙さにあり、やがてその集団の中に取り込まれ

 ると同じ意見の人達だけですので、片寄った情報のみに触

 れ洗脳状態にされる危険を秘めています。

  トランプ元大統領支持者に『Qアノン』というSNS上で分断を

 諮っているフェイク集団がありますが、今でも活動は活発で

 近は偽装し教育機関などの正規社会にも入り込んで一層

 分断を進めようと計っています。

  アメリカでは現在もアジア系の人達をターゲットに暴力行為

 が蔓延しており、これはトランプ前大統領がコロナウイルス

 の原因が中国にあると発言したことがきっかけで暴発して

 おりますが、アメリカでは元々黄色人種への差別意識が根強

 く存在しており、その潜在的な差別意識に火を付けたのが

 トランプ氏の発言だったのです。

 社会的な地位にある人が発言に注意しなければいけないこと

 は、大衆の潜在意識の中に眠っている火薬庫の導火線に火

 を付ける形に繋がるからです。

 ドイツにおけるユダヤ人迫害ではヒトラーが行っていたこと

 で学習しているはずなのですが、大統領選挙の不利を挽回す

 るために外交政策で過激な発言をして、中国への潜在的な

 反感意識に火を付けて支持を取り付けるという、内政への

 満を外交に向ける政治の常套手段が原因だったのです。 

 社会的な動物である人間が地域社会の崩壊の中で見つけたの

 ウエブ上の社会的ネットワーク(SNS)で、気軽に都

 合のいい時に自分に都合の良い情報を選択して繋がれる所に

 落とし穴があります。 

 SNSで呼びかけ集り暴徒化し過激な行動に走る理由には、

 社会的な格差によって苦しんでいるやり場のない不安と怒

 も引き金としてあり、同じ苦悩の集団だけにいると正義

 と錯覚し過激化して暴発するのです。

 個人でも国家間でも分断は攻撃性を高め内戦や戦争にも繋が

 り易い危険なものなので、バイデン政権は富裕者層の課税を

 強化し富の再分配による平等政策を模索しています。 

 私が思う解決策はフェイクによる分断が起こる前に、正しい

 判断ができるような多様性を促す仕組みをSNS上に作り

 監視するシステム作りだと思います。 

 方法はネット上の片寄った集団に対して、賛同を装いなが

 侵入別な多様な考えを投入して気付きを促すような仕

 作れば洗脳される危険を少しは回避できます。 

 また若年層の家出した少年少女は平成元年の統計で3万3千

 人に上り、その八割は裏アカウントを持っていて家庭内状況

 おいて自分の居場所がないことも理由ですが、家出し泊ま

 る場所困ってSNSに投稿をすると名前や身分を偽った大

 人に勧され性被害にあったりもしています。

 家庭内DVの件数も八万件以上報告されていますので、このよ

 うな家庭で育つ子供達には居場所がないより、家庭に留まる

 ことのほうが辛い状況なので家出するのです。

 中年の家出は事業の失敗や失業のような職業による問題です

 が、七〇代以上の家出も全体の三割ほど占めていますが

 気や認知症などがほとんどで、家出の四割を占める若年層は

 家庭的な問題で事故や事件に繋がっているのです。

 今のネット社会では匿名性を利用して罵詈雑言もはびこっ

 おり追い込まれて自殺に追い込まれた人達もおりますし、

 童ポルノの氾濫なども取り締まるべき課題です。

 車社会になって交通ルールや罰金制度ができたように、新

 しい社会的なツールに合わせてネットやSNS上の危険を回

 避すべきルールを作る事と、行き場のない不安と怒りの蔓延

 を解消するためにも富の再分配制度で平等な社会を早く整え

 ないと家庭的な問題の解決が進まず、このままではどこの

 においても格差による分断が進み、暴力だけでなくネット

 詐欺など新種の犯罪が多発しています。 

 ネット関連企業は国の介入を拒む理由として自由を叫びます

 が、社会的な弱者を守るためにもネット社会の癌細胞が極悪

 になる前に自由にも限度があると知らしめるルールが必要

 な時期だと思います。 

 ネットやSNSを正しく使用すれば、正常な癌遺伝子のよう

 社会の新陳代謝を促進し富を生み豊かな社会作りに貢献し

 が、ネット社会の極悪化した癌細胞放置は分断のアク

 セルを踏み増殖し続けて民主主義の危機に必ず繋がります。 

 多様な考えの人間が共存できるのが民主主義で、片寄った

 思想はファシズムへと繋がりますので、諸刃の剣であるネッ

 トやSNSにおいても秩序作りが必要なので、今はアクセル

 を緩め法治国家としてのブレーキ(法律)で制御が必要な

 時期なのです。 

 デジタル大企業には社会の分断を防ぐ手立てを施行する義務

 と責任があり、匿名性を利用した悪害の監視義務も果たすべ

 きで、その方策へのコスト負担なしでは無責任な自由に

 って得る寄生虫に成り下がります。 

 中国政府が巨大企業アリババに巨額な課徴金を課したのは、

 政府のコントロール下に置くためですが、民主主義社会の政

 策としてはデジタル巨大企業の弊害防止のためにも政治の

 力で分社化も検討すべき時期にも来ています。 

 現在のデジタル社会はもう癌のステージ二~三の時期に来て

 いますので、極悪な癌細胞になり国家や社会の分断が危機的

 になる前に、防止政策として情報の多様化を推進する新し

 い政策の法整備を進め国民が片寄った思想に陥らないよう

 な仕組み作りと、SNSを利用した犯罪の監視と罰則も作

  強化しネット社会の法整備を早急に適用すべき時期だと私

 思っています。

 監視する人材にはネット社会で悪事を働いているハッカー

 などを摘発して、罪を償うか? 監視強化に協力するか? 

 の二者択一を迫るような、悪を知り尽くしている人間を利

 用するという『毒を以て毒を制す』という逆手の方法を採

 用するのも一案だと思っています。

 ネット社会の極悪癌細胞には『目には目を歯には歯を』が

 もう要な時期で、ネット社会のルール作りと罰則強化で対

 抗しないと犠牲者が増加するだけで、年代によるネット格差

 も進み匿名性の裏社会が繁栄する歪んだ社会になると私は

 思っています。