お金の最適な量とは?

お金は生きて行くの上の大切な必要条件ですが、最近は十分条件になってしまっている状況に寂しさを感じます。

それはどんなに困窮しても、今の時代は例え兄弟親戚でも助けてもらえないことを無意識に自覚している事もあると思います。

しかし何事にも適量というものが有って、限度を超したお金の所持も薬と同じ副作用が出てきます。

人が人生で得るものと失うものは等しくて、ちょうど手に持てる物の数にそれほど違いがないのに似ています。

その実態は心の満足度と体の健康度や家族内のあらゆる状況など全てを俯瞰して眺めないと見えて来ません。

健康の為に食事の最適な量を『腹八分目』というように、お金を持つ量にも最適な量があると私は思っています。 

それは沢山の人達に会ってきた中にはの財産を持っている人にも会って実感した事ですが、大きな財産を手に入れる為に失った(貢物)ものは、実は普通の人が普通に持っているものでした。 

人間の体は飢えに耐えられる事を優先に作られているので、食べた量が多いと飢えに備えて体内に脂肪として貯め込むようにできています。 

でもいつでも食料がある現代は食べ過ぎて栄養過多で動脈硬化になった果ての成人病だらけが現実です。 

お金もそれに似て一度手に入れて貯め込む癖がつくと失う事を恐れて手放したくなくなり、貯め込むこと自体が目的化した状況に陥ります。 

これも病気の一種ですので、自分自身の為にもケチになり増えて喜んでいますが、その人の死後に相続した子供があぶく銭で身を滅ぼした人達も見て来ました。

何年か前に『親の財産を何十億か相続し、銀行に預けるのも不安で家の地下物置で保管していたが、心配で買い物も急いで帰宅し、勿論心配で旅行にも行けず、死んでからお金が発見された』記事がありましたが、これはお金を使うのではなくお金に支配されている典型で、これが過剰所持の動脈硬化です。

ではどの程度が適量か? というと私は『少し足りないくらい』つまり腹八分目です。 

この少し足りない位の時に家族は結束していて、お互いを思いやって暮らしていると思います。

逆にお金が全員に行き渡り過ぎると、家族各自が勝手なことを始め出して気が付くと家族がバラバラになっています。 しかし極度にお金が足りない状態も、体が栄養不足で動かなくなって病気になるように、心がイジケて僻みや妬みなどの抑鬱状態になってしまいますが、これも心に余裕という栄養不足状態を招いた病気です。 

人間の心と体の健康維持には、お金への少しの飢餓状態で労働意欲を高め、外食などの美食と散財を避け、家庭では手作りの薄味で家庭内の会話も増やすようにするようにすることで、何事においても過剰を避けたバランスが大切です。