就活と会社の寿命。

長い不況を経験したせいか? 未来の安定を求めて大企業への就職を多くの人が目指していますが、企業の寿命と時代の変化を考慮していません。 

フジテレビはラジオ全盛期のニッポン放送の子会社で、エプソンは服部時計(セイコー)の子会社で時計の精密部品を作る部門として長野県に設立し、切れ者や異端な不服従の者達を左遷する所にしたのが実情です。

その頃の服部時計はセイコーブランドで全盛期でしたが、その後のデジタル化の波は凄まじく携帯・パソコン・家電等何にでも時間が表示されている時代になり、腕時計など無くても時間を知ることが出来るようになり、売れても価格下落で売上高は低下しました。 

逆にエプソンに左遷された異端な切れ者達は、単に時計の精密部品を作っている事に飽き足らず、自前の精密技術を生かして他製品も作り売上増を目指し、時代の流れを読みパソコン関連から始め・携帯部品等のデジタル部品に広げて売り上げを伸ばしました。 

服部時計店の子会社が親会社の売り上げを凌駕してから、最近は時計事業再生の為にエプソンから異端・異能の人達を時計事業に迎え戻しています。

私が言いたい事は、今の優良企業は未来の衰退企業になっている確率が高く、大企業は革新的な人材を排除する官僚化に進み、時代の変化に遅れて衰退しているのが三十年位のスパンで見ると判るということです。 

広告代理店の電通も四十年前は広告屋の大きい会社でしたが、テレビ・雑誌・パソコン・携帯等の発達によるマスコミニュケーションの拡大によるイメージ広告が大衆を操作できる事に繋がることを知って世界の電通になりました。 

つまり安定を求めている人には不安定が必然で、不安定を受け入れ楽しむ人には拡大と安定が待っていると思います。

娘の就活も少し異端で、内定が取れない理由を聞くと『最終面接の経営陣と会う時は、本音で話すので落とされる』と思うと言うので理由を聞くと『自分の考えを受け入れてくれる所でないと、結局長く続かず止めると思う、どうしても内定を取らなきゃ駄目?』と言われ、人間の魂は細部に宿るを想い出し『正しいと思う、食わすぐらいはしますどうぞ』と告げました。

娘の就活時期(12年位前)は大不況の時で、経営陣は『お前の代わりは何ぼでもいる』という状況で、娘も肌で感じながらも親の事を考えて苦しんだようです。

そんな時に親がしてやれる事は『あなたの心や体の傷を癒す所は私達の所で、どんな時も逃げ帰っていいよ』と告げることでした。

その後就活も止め残りの大学生活を楽しみ就職せずに帰宅し、今のホテルの開業準備時にアルバイトで応募し面接時に『この学歴でどうしてアルバイトですか?』と聞かれ『就活に失敗しました』と答えると面接官一同が唖然としていたそうです。

それから十一年が経過し、今の時代環境的には恵まれた状況で働いていると本人も感じていると思います。

そして今は結婚して癒してくれる人がいるせいか? とんと逃げ帰って来ず、滅多にメールも電話も来ない状況ですが、便りが無いのが元気な証拠と思っています。

幸運のドアーと思ったら不幸に繋がっていたり、不運を潔く受け入れたら幸運に繋がっていたり、時代も社会も意外と皮肉なものです。