動機は不純な方が良い。

昨年の春に、女房との約束を二十七年ぶりに果たしました。 

無理やり始めさせた水泳教室三年目に『バタフライが辛いから止める』と言ったので、思案の末に『今、何メートル出来る』と聞き『15メートル』と答えたので『25メートル到達したら50万円あげる』と真顔で言いました。 

私の本気の顔に『約束だからね』と念を押すので『必ず』と約束して、一年後にバタフライ25mを完泳しました。 

それから二十六年『必ず渡す、でも今は無いので少し待って』と言い続けて来ました。 

自宅兼店舗の返済や娘の仕送りと借金まみれの中、怨みの言葉は諦めに変わり、騙されたと言われる度に誠意を果たせない不甲斐なさを嘆きごまかし続けて来ました。 

継続は力と言いますが、何事も継続させるには『不純な動機を刺激するのが一番いい』ので甘い蜜で誘うのが私の常です。 

娘が小学校三年生の時にも『毎日遊んで、勉強ができるようになる方法ある?』と聞いたので『あるよ』と言うと『今日の寝る時のお話はそれね』と言って遊びに行きました。

その夜に方法を教えてから『裕美ちゃん、悪い習慣は簡単に身に付くけど、良い習慣は身に付くまで三年位はかかり大変だから無理しない方がいい』と言うと『自分の遊ぶ時間が増えるからやってみる』と言うので『それでは頑張れ』と了承しました。

でも私は不思議に思って娘に『ところで、どうして勉強ができるようになりたいの?』と聞くと、躊躇せずに『勉強できる子を先生が可愛がるから』と答えました。

その躊躇なさに感動して『いいねー、そうゆう不純な動機はいいよ』と言うと『不純って、なに?』と聞きながら辞書で調べ、『悪いことでしょ』と言った時に『人間は不純な動機の方が長続きするし、不純な動機で始めたことは意外と達成した時に不純さが消えていて、純粋な動機で始めたことの方が達成した時に不純になっている』場合が多いと話しました。

その後中学で英語の授業を初めて受けて帰宅した時にも『努力しないで英語ができるようになる方法ある?』と聞かれ、その時も教えた後に、何事も努力を少なくし効率良く出来る方法を考えるように誘惑し続けました。 

そんな不純な欲望が知恵を生み、不純さが辛さから逃げたい気持ちを支えているうちに、達成する喜びを覚えます。 

何事も長く続けると、流れ続けた水が浄化されるように、達成の喜びと共に不純なものが消えていて、心も純化され気が付くと善循環で何事にも挑戦したくなります。 

ちなみに妻に渡したお金は、昨年の夏に冷房が壊れたので、また頭を下げて借り入れました。 

『しょうがないな、金利は高いよ』と言われ『はい』と答えましたが、返済はいつになるか? 

夫婦間のお金は、子供時代のままごと遊びのお金のやりとりに似て、実態がないお遊びのような気がしています。

ちなみに妻は今もデイサービス代わりに水泳に通っています。

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コメント: 1
  • #1

    seks tel (金曜日, 03 11月 2017 19:57)

    Kacprostwo