人生の暇つぶし。

赤ちゃんが泣いて生まれてくるのは、人生がまゝにならない辛いことの連続で生きなければならないからと言いますが、これは体内での鰓(エラ)呼吸から肺呼吸に移行する為の必須作業です。

しかし釈迦が四苦を『生・老・病・死』と言ったように何かにつけて生きる辛さを思い知る連続であるのも確かな事ですが、逆に考えると悪い人がいないと良い人が判らないように対比したものが存在しないと理解が進まない愚かさが人間には有り、生きる苦労に対比しては生きていて良かったと思えるような喜びも人生には存在してます。

愛すべき子供や苦労を誰かと共に乗り越えた喜びなど、辛苦を共に支えあって得る喜びには格別のものが有ります。

人間はオシャブリから始まり積木・自転車・恋愛・自動車等加齢と共に様々な遊び道具を手に入れながら体の成長と心の成熟を遂げ、結婚や子供を作り次世代への橋渡しをしていますが、老いと共に五十歳くらいから色々な機能を失って行き、やがて病んで死に至るのも必然です。

私は三十代~四十代後半までトライアスロン・マラソン(クロスカントリースキーも)などの少し過激なスポーツを、併行して英語や水泳は老後でもできるので続け,もっと年を取っても生きていたらと思い昨年から俳句を始めました。

これらは全て生きている間の『暇つぶし』で、猫のように食っては寝るだけの楽な生活は退屈で(若い猫が雀を狙っている時の目は輝いている)、極論すると生まれてから死ぬまで何かしら遊び道具を持っていると、死ぬ時までがアッという間と思い到ったからです。

いつ頃からか忘れましたが、暇つぶしの一番が妻・二番が子育て・三番が仕事・四番以降が趣味で、娘に『沢山のやる事を持っていると楽しいし、時間を上手く使えるようになる』と話し『なるべく苦悩や苦痛を伴うものが、充実感に繋がる』と暇つぶしの効用を囁き続けました。

特に借財の返済や親子関係で苦しんだ時は、肉体的苦痛が伴うハードなスポーツのトレーニングはお勧めです。

息が上がるような苦悩が精神の苦悩を軽減してくれて、自分の悩みがつまらない事と思え、そのうえ少しでもステップ・アップしているという自己満足も得られ、疲れからぐっすり眠れて精神病予防には特に最適です。

そんな影響か? 娘も子供の時から最低三つ以上は何かやっていて、時間の使い方と集中力訓練になると話し、その年代ごとに沢山のおもちゃで遊びながら学校生活を過ごしておりました。

中学時代のある日『ところで、一番・二番・三番の順番の意味は?』と聞かれましたので、『私が思うようにならな順番です』と答えると『なるほど』と答え、『お母さんが一番思うようにならないか?』と言うので、人間を支配や命令で変えるのは組織(飴と鞭)の場合で、家族や友人の場合はこちらどう変われば相手がどう変わるか? を楽しむ余裕を持つと、知らないうちに『ここで牙を剥いてはいけない』など自分の人間性を高めることに繋がっていると思うし、あなたも二番目に楽しいですよ! と話しました。

果たしてどんな最後を迎えるのか? 何事も先が見えたら恐ろしいことで・・・と考えると、先が見えない人生の今を如何に大切な人と楽しく過ごすか? が一番大切なのが見えて来ると思います。