人は生まれから不平等。

娘が中学の時、帰宅早々に『先生が差別して、生徒を平等にしていない』と怒り一部始終を話しました。 

あなたが正しいと答え、でも実は『人間は生まれから不平等なのでは?』と答え『こんなお茶屋の娘に生んでごめんね』と頭を下げました。 

あなたには親を選ぶ権利が無く、私がお母さんを獣のように愛した結果、あなたが我が家の子供になってしまった・・・お金持ちの家ではなく・・・こんな家でごめんねと。 

呆然として聞いていましたが、『親を選ぶ事は出来なかった分、あなたがどう生きるか? の選択はあなた自身が決められるので、様々な力を獲得して、自分の人生の選択肢を増やす為に努力して』とお願いしました。 

私達親は、快楽の代償として『あなたが社会に出るまで、全力で支える』と伝えました。

その後の高校二年生の時『東京の私立大学に行きたいけど、うちの借金の様子では無理だよね』と相談に来ました。

あなたが社会に出るまでは全力であなたの生きる選択をサポートすると約束したでしょ『合格したら責任を持ちます、浪人は一年だけです』と言うと『お金は大丈夫なの?』と聞くので『担保に入っているこの店舗を銀行に渡せば、ローンが無くなるので仕送りと学費は出ます』と言うと『店は?』と聞くので『十万円の家賃を払って銀行から借りる』と言ってから、娘の受験勉強の意欲が違いました。

でも私にも条件が有って『家では二時間以上勉強しないで、いつもの時間に寝る事、それで合格しなければそれだけの能力です。自分にふさわしい所で学び・働くのです。そして人間の集中できる時間は二時間位が限界です』を了承してもらいました。

最初は国と市の制度融資を借入して自転車操業をしていましたが、娘が大学三年生の時に資金がショートしそうになったので銀行に上記の趣旨を話すと、支店長と融資係の人が呆れてまいしたが、最後は担保を取らずに600万円の繋ぎ融資をしてくれてり切りました。 

昔は農民の子は農民と決められ、米は年貢で取られ農民は稗や粟を食べていた時代も有ったのです。 

どこの国の? どの時代で? どんな家に生まれるか? を誰も選択を出来ずに生まれ、誰もが時の流れに翻弄されて生きています。

学問は生きる為の選択肢を広げ、知識を知恵に変換して教養として身に付ける事で人生の岐路の選択を間違えずに進む為に欠かせないものと話したことを想い出します。 

最近の1番の危惧は子供の偏差値と親の年収が比例していて、『教育の機会の平等』が失われ始めていることです。

教育環境は異なる種類の人間を一緒にする方が、触媒作用で化学反応を起こし活力ある人間と社会を作ります。

今の日本には異質な人間を取り込む余裕が一番必要です。