偽装。

長い商人生活の喜怒哀楽の経験を通して、様々な事を考えさせられましたが、特に商人として刷り込まれるように聞かされた『お客様は神様』と言う言葉への疑念に随分苦しみました。

これも資本主義の弊害で、ご無理ごもっともと頭を下げていますが結局はお客様にではなく、財布の中身に頭を下げていて、今流行の偽装に走ります。 

『無理難題に頭を下げた江戸の仇を、お客様のいない所で偽装し、長崎でとっている』のが実情です。

逆に『自分の為に働け』と言う人に立派な尊敬できる人が多く合点が行き、自分を大切にする人は他人にも大切にされ、自分を粗末にする人は他人にも粗末にされるに似ています。 

たとえお客様でも理不尽な事には議論する事で、議論に伴う責任がお互いに発生するのですが、これを回避する為の便利な言葉に『お客様は神様です』が使われています。 

お客様の為と自分を偽って働く人ほど、見えない所で偽りをしていると思います。 

自分と自分の大切な家族の生活を守る為に働くのが本分とすれば偽装は自爆行為で、大切な家族と自分の生活を支えてくれたお客様への感謝で誠意を持つのが本物です。 

汚職や偽装の内部告発続きの昨今ですが、建前と本音を使い分けるマスコミへの信仰に汚染された自分に気付かずに建前で生きる無理が、自分を苦しめ偽装や犯罪へ走らせます。 時代背景を考えずに自己責任と自分を責めると自爆で、今は自分を一番大切にする事が実は人の為になると開き直るべき時代です。 

『人の為』と書いて『偽』となるのが証です。