変化を受け入れる苦悩。

週一度の水泳で自己否定の苦悩を楽しんでいます。 

高齢になっても続けられる様に関節・筋肉に余分な負担をかけない理想のフォーム獲得を目標に取り組んでいます。 

習字の手本を真似るように、ネットで一流の泳ぎを毎日十五分見て体幹の体重移動・抵抗の少ない姿勢・手の角度・タイミング(1番大切)等を直すと、永続する振り子時計のように楽に長く美しく泳げて、ひと掻きで普通の人の倍の距離を楽に進みます。

運動を科学的に分析して世界記録が更新されていますが、それを身に付ける選手は自己否定という苦悩の連続です。 

人は元来怠惰でなるべく抵抗の少ない楽な道を選び、慣れ親しんだ疑いも無く受け入れた信念に愛着を持つものです。

伝統的な信念に疑問を投げかけるような新しい考えや意見を耳にすると、邪悪だと言うのも『それが変化を要求する』からで、ガリレオが監禁されたように、実はほとんどの人が不安になることからの逃避です。 

考え方を変える移行過程は不愉快を伴い、その苦悩から逃れたいのが人間の性ですが、それでは進歩は望めません。

私も泳げない所から始め四種目を泳げることで満足していましたが、還暦を越える頃から肩や肘の故障に遭遇し、廻りの高齢の人達が故障から止めて行ったのも、力の泳ぎによる無理からと理解しました。 

柔道のパワハラ問題もそうですが、日本のスポーツは科学より体罰に近い強制的指導法です。 

科学的根拠を提示し、選手が自ら進んで理想を求めた自己否定に取り組む為には、指導者自身が成長する努力を通して、自分自身の人間性を磨くことが不可欠です。 

身に付けた怠惰な長年の泳ぎを、理想の形にして長距離を楽に長く美しく泳ぐ喜びを手に入れ、老人が水中では若者を尻目に泳ぐ儚い夢を見ています。