勝者より敗者の方が多い。

近代社会ではお金や地位を基準にして勝者敗者の感情に囚われる傾向が強く、そんな尺度が人の心を貧しくし、焦燥感や孤立感を深めて社会に閉塞感を招いています。 

人生同様スポーツも勝者より敗者の方が圧倒的に多くいるのが常ですので、そんなものに囚われていたらほとんどが不幸な人になってしまいます。 

社会に競う事が存在するのは、人間の誰もが持つ怠惰なものの防止と、失敗から学ぶという大切な意義が有るからと思います。 

よく娘に『人間は失敗からしか学べないような気がする』と私の失敗談を沢山話しましたが、最近の親は子供に成功を望み続ける傾向が強く、逆に失敗を勧めその失敗から学び次の努力に生かす知恵を育てて来なかった為に短絡的な事件が増加しているように思います。 

十四年前、娘が東京の私立大学受験を希望した時『合格したら店舗を銀行に渡し、家賃で商売をしても行かせてあげる』と話し、唯一の条件は家では二時間以上勉強しない、十一時には終え今迄同様に寝る事でした。

人生は長く結果より過程が大事で、不合格ならその結果から等身大の自分を自覚することも大切で、心や体が燃え尽きないように頑張り過ぎないで自分にふさわしい大学や社会のポジションで生きる事が幸せに繋がると話ました。 

合格後『二時間しかできない』と思ったら逆に集中し、生活の時間管理もうまく出来る様になったと言いました。 

別れの言葉は『幸運にのぼせ不幸の道に繋げない、不運な時は内省して幸運の道に繋げるように』でした。 

幸せは背伸びをしないで自分らしく生きる事、物やお金は自分とかけがえのない大切な人を守る為の大切な道具で、人生の目的の幸せを得る為には失敗の原因から自分の改善点を学び、次に生かして失敗をいい思い出にする事が、未来の人生を豊かにする事に繋がると思います。