楢山節考。

季節の移り変わりの中で、いつもと違った春や夏を感じるのは年齢を重ねたせいか? と思っておりましたが、やっぱり沢山の事が変わったと実感した今年でした。 

小泉総理の構造改革は若者には格差の促進と過剰な負担を、高齢者にも応分負担を強いるようになり、格差社会の進行は全ての年代で進み、誰もが不安になっているのを肌で感じます。 

物の無い時代には物質的に豊かになれば幸せになれると錯覚して突き進んで来ましたが、今は違うことを誰もが感じ始めています。 

皆さんが探している新しい幸せの価値観は以外と古い慣習の中に有ったのでは? と思います。 

『一人は全ての為に、全ては一人の為に』と言う言葉が有りますが、家族や社会の中で誰かの為に努力して、相手の喜びを自分の喜びと感じる中で、自分の存在意義を確認しているのが人間です。

人間が本質的に持っている連帯の感動の中に生きる喜びが有る事を忘れさせる程に物の豊かさを追い求めた果てが、現代人の孤立感です。 

『楢山節考』という映画は、食料不足の村人全員が哲学を強いられ親を捨てる話ですが、老人と大人が次世代の事を思い、若者が高齢者を思う原点に戻す為には、今のこんな社会にした大人が先に変わることと自戒しています。 

英語の勉強をしていて一番の効用は、日本の文化を客観的に捉えられるようになることですが、先日も英語の文章で『幸せは永久に続かない、悲しみも過ぎ去ります。 でもささやかな幸せを得る為ですら、ずっと努力を続けていかなければならない事は確かです』と有り、訳す手間がかかるので尚更胸に沁み込んで来ます。

高度成長時代は日本の歴史の中で、過去になくこれからも起こり得ない世界史で見ても異常な経験でした。

これからは厳しい時代になりそうですが、英語の勉強を通して世界的視野で眺めたら、物質的にはまだまだ豊かな暮らしと心から思います。