愛する理由と愛したくない理由。

未婚・離婚の増加は便利な世の中になったからと思っていましたが、店頭で接する四十代以上の未婚者や離婚者の共通点に気が付きました。

それは善悪や倫理観や社会的規範によって刷り込まれた既成概念から抜け出せない人が圧倒的に多いことです。 

自分が育った家庭や環境や常識の幅で事象を捉える事から抜け出せない人は、割と善良で努力家の人が多く、絶えず相手にもその規範を求めていて、これでは相手も自分も疲れるだろうなーと正直思います。

恋愛や結婚は違う文化で育った者同士が二人三脚する様なものですので、相手の呼吸に合わせる配慮も大切で、結婚する為の必要条件と離婚しないための十分条件にもなります。

昔、精神科の女医さんが郷ひろみと二谷友里恵の離婚後のそれぞれの本の書評で『表面的な幸福で満足するには二人とも内省的過ぎるし、本当に自分を見つめるほどには内省が足りない』と書いていましたが、どちらも自分の善を主張する行為が相手を傷つけていることに無頓着な内容への閉口感からの言葉です。 

未婚・離婚の増加は今の社会で蔓延しているうわべの正義をかざす情報から得た中途半端な小利口の増加と、相手が自分と同じ感情や希望を持って生きていると理解できない保守性に有り、自分自身も既成概念から抜け出せず、傷つき孤独に苦しみます。 

お互いの不徳を認める所からお互いの理解に進み、そのお互いの不徳を許し合うことが『愛する理由』になり、お互いを補い合って結婚した意味が生じます。  

極端な倫理観の違いと、自分に都合のいい正義を振り回す人は、誰でも辟易して『愛したくない理由』に成ります。